チーム設計師の考え事

日々、考えていることをつらつらと

意思決定は表から生まれる

意思決定をするためのツールは様々なものがあります。

最も簡単なのはコインの裏表で決めること。ぼくが知っている中で一番ヘビーなのは、不確実要因まできっちり数値化し、分析を行うディシジョンマネジメントです。

そして、最もポピュラーなのは、表を使うことだと思います。


意思決定に用いる表は、決定分析とか評価軸×評価リストとか意思決定マトリクスなどなど、いろいろな呼ばれ方があります。

細かく見ると、やりかたがそれぞれ少しずつ違いますが、基本は同じ。選択基準(=目標)と選択肢を並べ、各選択肢が選択基準をどの程度満たしているのかを可視化します。


例として、ぼくが最近はまっている「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主人公のセリフを考えてみます。かなり良いセリフなので、その紹介も兼ねて。

内容に踏み込んではいないのですが、まっさらな状態でアニメを見たいという方はブラウザを閉じたほうがよいかもしれません……

 

 

 

とある戦いに挑む主人公。だれかに強制されたわけではなく、自分で戦うことを選びました。

戦いの最中、コックピットの中でこう言います。

お母さんが言ってました
逃げたらひとつ、進めばふたつ手に入るって
逃げたら負けないが手に入ります
でも、進めば──勝てなくても、手に入ります
経験値もプライドも──信頼だって!

(機動戦士ガンダム 水星の魔女 第一話 スレッタ・マーキュリーのセリフより)

「逃げる」と「進む」のふたつの選択肢があり、それぞれ得られるものが違います。これを表にしたのが下図です。

主人公がとったように、この評価軸でこの重要度の場合は「進む(戦う)」を選ぶのが良さそうです。もちろん、状況によって評価軸の増減や重要度の変化があるため、別のシーンでは「逃げる(戦わない)」という選択肢が有効な場合もあると思います。

 

今回はわかりやすい例を紹介しました。「表を書くまでもないのでは?」という印象を持ったかもしれません。

しかし、実際に表を作ってみると分かるのですが、頭の中で考えているよりも「その選択肢を選んだ理由」がはっきりします。

また、チームで意思決定をする場合、メンバー間の認識がズレていることが多々あります。そのズレをすり合わせるツールとしても有効です。

 

表を使うと、比較的簡単に、納得感のある意思決定ができます。特にチームで何かを検討する際は使ってみるとよいかもしれません。

 

余談ですが、スクラムでソフトウェア開発をしているチームを支援しているとき、プロダクトバックログアイテムの優先順位を決めるのに決定分析を使っています。