チーム設計師の考え事

日々、考えていることをつらつらと

関係性を紐解く。深く。システム・ジオグラフィー Day3

システムコーチングのトレーニングを受けている。最終日の3日目が終了。5回中の3回目が終わったことになる。

 

3回目にして、システムコーチングがどういうものか分かってきたかもしれない。

システムコーチは、人と人との関係性に対してコーチングを行う。その時の、コーチのあり方のひとつ(全てと言ってもいい?)がやっと見えてきた。それは、「関係性の解像度を上げる」ことだ。

 

例えば、スクラムというアジャイルソフトウェア開発のフレームをとり入れているチームの関係性を図にするとこうなるだろう。

ビジネスを考えるプロダクトオーナー、ソフトウェアを作る開発者、スクラムをうまく回していくスクラムマスターの3つの役割。確かに仕事をするための関係性だけを見ると、これでOKだ。

 

もう少し深く掘り下げると下図のようになる。

明確なタスクがあるわけではないが、仕事をうまく進めるための役割はどんなチームにも存在しているはずだ。会議でいつも最初に発言する人、あえて反対意見を言う人、ムードメーカー。こういう役割も関係性にあらわれてくる。

ここまでは、他のチームビルディング手法でも明確にできることが多い。システムコーチングでは、さらに解像度を上げていく。

それぞれのメンバーは、チームの他のメンバーに見せている自分が全てではない。家庭の自分、ひとりでいるときの自分、趣味に没頭しているときの自分。当たり前だが、人には様々な側面がある。その中には、自分が自覚していない自己も含まれている。

ふだんの関係性の中では出していない、秘密の顔がチームの関係性に影響を及ぼしていることもある。

 

さらに、チームにはいない、第三者としての存在も影響を与えている。

良くも悪くも日々の意思決定が会社の文化に引っ張られているかもしれないし、マネージャーへの忖度、ユーザーへの過度なサービス精神がなんらかの悪影響をチームに及ぼしているかもしれない。

関係性は、ぼくたちが思っているよりずっと複雑なのだ。

 

問いやツール、自分自身を使って、システムコーチは関係性を紐解いていく。

今まで自分の中にあったチーム作りとまったく異なる視点を得ることができた。とても、とても貴重な3日間のトレーニングでした。