チーム設計師の考え事

日々、考えていることをつらつらと

人と組織の関係性を描く「サクセスファクター」

組織のすべての人間におなじ方向を向かせることができれば、どの業界でも、どの市場でも、どんな競争相手に対しても、どんなときでも、圧倒的な優位に立てる(書籍『あなたのチームは、機能してますか?』より)

これは、ぼくのチーム作りにおいて、大きなひとつの指針として持ち続けている言葉です。

チームが目指す方向が定まっていれば、紆余曲折があったとしても、前に進んでいけるはず。チーム作りの根底にある要素のひとつだと思っています。

 

チームで方向を合わせることは、もちろん一朝一夕ではうまくいきません。継続的な活動ではあるのですが、そのとっかかりに、最初の一手に有効なツールがあります。

ぼくや同じ部署のメンバーが、新しいチームに入ったときに必ず使う、「サクセスファクター」です。

 

サクセスファクターを一言で表すと、「人と組織の関係性を描くワーク」です。チームメンバーのそれぞれが、「これができたらこのチーム・プロジェクトは成功だ」と思うことがらを集め、図で表現をします。

サクセスファクターを行うと、チームを含めた関係者全員に対し、プロジェクトの向かう先や考え方の共通認識を持つきっかけとなります。成功要因に対して認識齟齬がなくなり、その後の活動がとてもスムーズになります。

 

サクセスファクターは大きく 3 つのステップで進めます。

 

まず、チーム・プロジェクトが大成功したと仮定したとき、どのような状態になっていたいかを洗い出します。個人でも役割でも会社でも、考えられるチームの関係者(マネージャーや関連部署の責任者、場合によっては社長なども含む)が対象です。

全員がその場に参加できると望ましいのですが、難しい場合は参加者がその人たちの分の「成功した状態」を想像でだします。

集めた成功状態は、下図のようにグループ分けをし、グループにタイトルを付けます。

次に、グループのタイトルのみを残し、因果関係を表す図を作ります。この図を作る事により、どの成功要因が、何によってもたらされるのかが見えてきます。

図を作り終えたら、重要だと思う上位 3つの成功要因をピックアップします。その3つが、チーム全員で注力するポイントです。

最後に、その注力ポイントに対し、どういった数字を計測できれば目標達成となるか(=KPI)を定めます。こうして、成功の要因と目指す数字を定めればチームが一丸となってゴールに向かって進むことが可能となるのです。

ちなみに、KPIまで決めるかどうかは、チームやプロジェクトの内容によって、実施したりしなかったりです。

このように、チームやチームの周りにある関係性を考えることが、方向性を合わせることにつながります。お試しあれ。