チーム設計師の考え事

日々、考えていることをつらつらと

『熱狂のデザイン 楽しく結果を出すチームのつくり方』を読んで、チーム作りを見直す機会になった

「協力」という言葉を紐解いていくと、良いチーム作りのヒントを見つけられるかもしれない。最近はそんなことを考えている。

 

ハーバード大学が80年間近く続けている大規模な追跡調査によると、人生に幸福と健康をもたらすのは良い人間関係だそうだ。これは、人間が「協力」する動物だからなのではないかと思っている(そう思うのは、今読んでいる『Open』の影響かもしれない)。

うまく協力するために、お互いの関係性を良くしていく。関係が良くなると、結果も良くなる。それが幸せや健康につながるのではないだろうか。

その「協力」の拠りどころとなるのが、個人の思い、願い、そして「熱狂」だ。コーチング仲間のきっしーこと岸昌史さんの著書『熱狂のデザイン 楽しく結果を出すチームのつくり方』を読み、出版記念セミナーに参加し、そうしたことをより強く意識するようになった。

 

『熱狂のデザイン』は、簡単に言うとチーム作りを指南する本だ。ほかのチーム作り本の違いは、「自分の中にある熱狂の種を育てる」ことからチーム作りを始めていることだろう。

まず、意図的に自分を熱くする。そして、その熱狂に人を巻き込む、チームを熱狂させる。そうすることで良いチームができる。そのための具体的なアプローチが書かれている。

 

この本のコンセプトを端的に示す内容は、イントロダクションに書かれている。

コーチや上級生が、「優勝しろ」という目標を押しつけることはありませんでした。代わりに投げ掛けられたていたのは、「お前はどんな人間になりたいのか?」という問いです。それぞれが個人としてのありたい姿を明確に持ち、それを集約したものがチームのビジョンとして掲げられている。だからその実現のために、自身の役割に全力でコミットできます。共通の目的に向かってみんなが120%の力を出し合うことで、自然と関係性の質が高まります。── 熱狂のデザイン はじめに より

この成功体験をベースに、数々の業務経験で積み上げたものを、誰もが使いやすいように体系化してこの本ができた。そんな印象を受けた。特に、著者の15年のコーチング経験が色濃くでているように感じた。

 

世界も、国も、社会も、そして個人も複雑になったこの時代。必要なのは人の気持ち、思い、願いを出していくことなのだろう。

ぼくは、今までそうしたものを深くあつかってこなかった。この本は、「熱狂」をチーム作りに活かしている著者の姿を教えてくれ、あらためてチーム作りを見直す良い機会を与えてくれた。

熱狂のデザイン 楽しく結果を出すチームのつくり方

熱狂のデザイン 楽しく結果を出すチームのつくり方

  • 作者:岸昌史
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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